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サッカー戦術について整理します

ワクワクするサッカーvs勝ちにこだわるサッカー

森保一監督率いる日本代表も、他の多くのJクラブも、もちろんカマタマーレ讃岐もだが、それぞれのクラブで、それぞれのらしさの追求がある。
Jクラブの強化、選手選考は、らしさを元に編成するらしい。



用語を再定義しておく
〇サッカースタイル=クラブらしさ  基本となる決まり事の集約
〇サッカー戦術 毎試合変える約束事 相手の対策や相手の弱点を攻める手法



さて、日本代表は、プレス強化で数的有利をつくりだした時もあったが、次は、守備的に、攻守の切り替えを素早く、ボールを奪った際には縦へのパスを増加し、FWはスピードタイプを並べた時もあった。デュエルの強さやポリバレントを求めた時もあった。
日本代表らしさとは、その監督によって多様に変化しw その監督の実現したい戦術だったり決まり事だったりして、いまいち日本代表らしさに一貫性は見られない。




そもそも、バルサらしさ全開の2010年W杯王者無敵艦隊(ほぼバルサとレアルの選手)を破ったのは、2014年W杯優勝のドイツ代表。
そのドイツ代表は、試合途中に戦術やフォーメンションすら変化させる、画期的な可変システムを採用していたが、2018年W杯では、グループリーグ最下位で終わっている。



このようにサッカーのスタイルや、戦術はワンパターンではまったく通用しない時代になってきており、パターンが多くあるほうが、ベターとなってきている。この采配は選手個人にあるというより、ほぼ絶対的に監督采配にある。 
しかしそれぞれのクラブのスタイルはしっかりと確かに存在している。


つまり、サッカーという競技は、相手の戦術的意図を見破り、その逆手を突くことに最大の醍醐味がある。




さて、スタイル=らしさの追求をどう考えるかだが、
対戦相手毎に変えるはずの戦術やフォーメーションを固定化したら、確実に負ける。


という時代において、なにをもってらしさを追求できるのか、クラブとして課題を突き付けられている。





いまの日本代表は、多くの著名な解説者が一様に、森保一監督になってから、どんな戦術で、采配の意図があるのかすらわからないと批評されいてる。
プロの解説者や、多くの監督や指導者についた経験があるJリーガーであれば、試合開始10分でどんなサッカーをしたいのか見てわかるという。



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野球の場合、一番おもしろいゲームスコアは、8対7 ルーズベルトゲームと言い、シーソーのように逆転、逆転、また逆転となる試合が観ていて楽しい。



サッカーで、8対7などあり得ないが、3対3 が面白いとか言いますかね。
例えば2019年のルヴァンカップ、札幌がリードして、追いつかれ、逆転され、ロスタイムで同点になり、延長戦で再度リードしたけど3-3同点にされ、最後には川崎にあと一歩PKで負ける。
札幌サポータは、なんど歓喜し、なんど泣けたか。
息詰まるナイスゲームだったと思う。





さて、理想を言うと、
勝てばいいサッカーにおいて、
バンバン点を取って、2点取られたら、3点取って勝つという戦術もありだろう。
サポーターの多くも、点がいっぱい入って、勝てば文句はないとも言える。
(2021年上野山監督のサッカーが「攻撃的スタイル」というクラブの依頼によって、ワクワクするサッカーとか最高のファーストタッチとぼんやりしたタイトルに変化して、かつてのガンバスタイルを構築しようとしたようだが、まったく機能せず自壊した)


そもそもJ3は守備重視のクラブが多い中、攻撃的に行ったら、カウンターくらって負けるのが目に見えている。ワクワクしたのは相手チームだけで、いいカモにしかならなかったと言える。J3はカウンター合戦で、そもそも大量点での勝敗はほぼないリーグになっている。
それに、攻撃的に行ってそんな簡単に勝てなくなっているのが現在サッカーであり、常に進化し続けているものがサッカーでもある。





欧州の3リーグや、CLの試合を見る機会があるならば、名将と呼ばれる監督の意図を読み解くことが、サッカー通の中で最大の醍醐味であり、例えばユベントスとバルレロナ戦があれば、多くのサッカー通の観客を期待させ、魅了するだけの醍醐味がある。戦術の最先端はやはり欧州の3大リーグで間違いない。


もっと言えば、W杯は、どの国の代表も優劣つけがたいほど、ほぼ3大リーグのスーパースター選手ばかりで構成されたチームだ。メッシがいるから、サラーがいるから、レバンドフスキーがいるからだけで、簡単に勝てるわけがないのもW杯だ。
W杯は、はっきり言うとそれぞれの名将監督の戦術の差を観る短期大会であり、見所が多いからこそ、世界中の観戦者が熱狂するのである。





本題に戻ろう。
カマタマーレ讃岐のらしさとは?
ワクワクするサッカーとかなり抽象的に言った監督もいたが、
目指すスタイルが、
オフェンスはバルセロナ+レアルマドリー+リヴァプール
そしてディフェンスはマンチェスター・シティ
という無理なことをいくら熱く語っても、
スタイル以前の問題として、今では鼻で笑われるほどマジで弱い。



元々J2までの試合は、カウンタースタイルと、ネバリとコシ。後半ラスト10分に、追いついた入り、逆転したりと、相手がバタバタになっても気が抜けないところが特徴的なクラブであり、(縦ポンサッカーとか言っていたサポもいたが)ブロック&カウンターの特徴ある選手を集めて、トレーニングに落とし込んでこそできたスタイルとも言える。またカウンターサッカーは、ジャイアントキリングの場面で多く見られるサッカースタイルでもあった。


当時の監督は、前の羽中田監督のバルサスタイルを引き継ぎ、熊本でやろうとしてたバルセロナの0トップ、ポゼッションに特化したスタイルを追求したい希望もあったと後から語っていたが、勝てなければならない状況下にあっては、選択肢も限られていた。勝ちにこだわるサッカーだ。


ボゼッションとカウンターは、どちらもアタッキングサードにボールがある方がワクワク感は高く、デフェンシングサードにボールがあるとハラハラするとは言える。
ただボゼッションとカウンターは、ワクワクとハラハラと分類されるのかどうかは、サポータのゲームを観る目利き、試合展開の次、その次を読むスキルの高さに強く依存するところではある。ブロックにてボールを刈り取り、いまFWが裏抜けしようとしているというタイミングにカウンターが炸裂するかをみれるかどうかは、ボールだけ追ってもだめ、広い視野が必要なのだ。


監督は、自分の意志をどのように試合で再現できるか、事前準備をどれだけ想定で来て、どこまで落とし込めたかが、腕の見せ場である。
一流の演奏者を多く揃えたオーケストラの指揮者のようなものだろうか、リハーサルを繰り返し、本番では細かな調整を施し、同じ曲でも指揮者の腕として評価される。






ただ、W杯は、超短期決戦であり手の内を見せると負けるのだ。
岡田監督は、2010年W杯予選も、慢性的な決定力不足により、ギリギリで突破。W杯の事前模擬戦キリンチャレンジカップでも連敗と、なのにW杯の目標はベスト4と公言し、町中アンケートでも支持率16%、サッカー解説者からもあまり支持されていなかった。
しかし、W杯本戦ではまったく戦術をガラッと変えカウンターサッカーを見せ、駒野の失敗PKさえなければ、日本代表としてベスト8へ進出できるところだった。


たぶん、恐らくだが、森保一監督は、ぱっと見たところ、選手に試合運びからなにからすべて自由におまかせにしているように見え、監督としてなにも策がないフリをしているが、実はW杯の本戦では、カウンターサッカーを指揮するに違いない。
つまりW杯で勝つためには、身内のサッカー評論家にすら手の内を見せない、ある種のハンディを背負ってのW杯予選を戦っているのである。
森保監督は相当な策士なのである。






本題にまた戻って、カマタマーレ讃岐は、らしさなど微塵もみられず、クラブからのスタイルの方針発表もなく、縦ポンサッカーを毛嫌いするサポータは若干名いるものの、カマタマーレ讃岐らしさなどを求めるサポータもひとりも見たことがない。
2021年のゼム監督のスタイルをあえて言うなら、ワクワクするサッカーとは真逆な、終始守備でシュート撃たれまくりで、こちらがシュート0でもひたすら守って勝ち点1を狙いに行く、ハラハラするサッカースタイルw もはや競技がちがうと言える。 


じゃ、GK以外、先発10人全員DF投入したらいいんじゃね。と期待してみたい。



さて、今年指揮する西村監督は、クラブが示すスタイルを遵守する監督よりも、フィールド内は監督に全権一任して、J2までの試合のように、細かく戦術が変わるサッカーの方が観て面白くもあると言える。 
ただし、残念ながらJ3にはサッカーの専門家、解説者、批評家、各種メディアの方々が観戦してくれる試合も少ないため、一部のサッカー通ならまだしも、多くの一般の観客には見てもわかりずらいところは、つまらないと映るかもしれない。


ある意味、カマタマーレ讃岐にはらしさなど微塵もないため、森保一監督と一緒の「選手任せスタイル」になれる。(岡田メソッドが目指しているある種の自律した組織) 


マチガイない。


ただし、W杯のグループリーグ突破3試合とちがって、J3の18クラブと総当たりだから、34試合も手の内を見せないスタイルだけはご勘弁してもらいたい点には要注意だ。