あなたのハートにゲーゲンプレス

サッカー戦術について整理します

〇〇から世界へ Jリーグ100年構想

地方都市のJクラブには、避けてとおれない道がある。
元々指導者の重鎮がいる町クラブと、たかだか発足10年程度の新参のユースクラブとの間に、軋轢が生じることだ。
軋轢は、最初はどうやっても避けられない。
指導者同士、お互いに言い合える環境がなければ、必ず生じる。



なぜなら、町クラブや高校は、U12、U15、U18にて、長年〇〇県No.1のクラブを目指し、指導者としての誉を得ることを目標ととして長く指導してきており、さらに全国と戦い勝利することを究極の目標としていたからだ。


一方で、ユースクラブは、Jリーグ100年構想の中で、地域に根差したスポーツクラブとうたい、〇〇県の中から、優れた選手を発掘し(引き抜いて)、U12,U15,U18ユースメンバーを編成し、Jリーガーを育てるという使命がある。 いわゆるホームグローン選手育成型クラブの話だ。



どちらも、選手を育てたいという思いは共通であるものの、


元々の町クラブからユースクラブをみると、優れた選手を、プロになれると引き抜き、そして月謝収入も奪われるという、ダブルパンチの極悪非道組織に見えるだろう。





しかし、100年構想の中で、〇〇県が一致団結して選手を世界へ送り出すという、共通の目的を考えた場合、


町クラブ、ユース共にどちらの指導者も、指導者として指導方法や育成過程について切磋琢磨し、どの指導者からも優れた選手を多く育成する事が望まれている。


その指導者が集まる指導者研修は大事なのである。
〇〇県のサッカー協会は、この軋轢解消以外に、U18であれば、全国サッカー選手権で勝ち抜くため、積極的に、県内の優れた結果をだした指導者の中から指導方法のレクチャーを開催したり、県外の著名指導者を招致し講演会を開催したり、J経験者からの指導方法を学ぶ研修を開催したりと、指導者はどのカテゴリーを担当していても、それぞれの指導者が選手を受け持っている。ユースだからってお高くとまるな、町クラブであっても指導の勉強を怠るなという勉強会が頻繁に開催されている。


そして県内の指導者は一致団結して取り組むべき課題、共通の究極の目標である日本代表を数多く輩出することができてくるのである。


また、指導を受ける生徒側に、ユースが良いか町クラブが良いか、どちらがより良いか、選ぶ選択肢と、より広い受け皿が多い方が〇〇県として理想状態と言えるのであり、結果としてより多くの優秀な選手が生まれ、ユースからJに上がるだけでなく、町クラブや高校からもJに何人も輩出している。
 札幌でエースストライカーであった、無双FW内村圭宏選手は、ユースを選ばず、町クラブの強豪であるカティオーラFCから、大分高校を経て、第79回全国高等学校サッカー選手権大会でベスト8まで進出している。その勝ち方がものすごい。埼玉代表、青森代表などなどサッカー王国の代表を次々けちらしてのベスト8進出だ。 そして 大分トリニータでJデビューしている。


クラブユースは、子供たちが希望してセレクションを受ける。しかし合格するのは各年代10人数人程度の少数育成方針のところもあるし、マリノスやレッズのスクール生は、4000~5000人もいるが、まだ希望者はまだまだ多いと聞く。 
しかしセレクション受験参加するにも、現所属クラブの承認を得ていること、を条件に設定していて、まるでもめ事を避けるようなセレクション申込用紙は多々見かける。


例えばとある小学生選手が、6年生の夏にユースのセレクションを受け合格しそれを所属クラブ監督伝えた所、練習に来ても試合には出さないと、所属チームで出場機会を奪われてしまい6年生で今まで一緒に頑張ってきた仲間との最後の大会含め、中学までの半年間の活動場所を奪われたことも少なからず耳にする。 指導者の中には、監督絶対権力がまだ残っており、未来ある有望な選手を前にして、だれのためのクラブなのか、まだまだ選手ファーストではない面もまだ残っている。



多くのJのトップチームもユースも、練習は一般開放されオープンになっていて、県内外の指導者がいつでも見学に来れる環境を設定している。
ユースの指導を受けたい、サッカーがうまくなりたいという指導者や選手にはいつでも見学や練習参加が許されている。 これはJクラブに課せられた、地域に根差したスポーツクラブと地域活動という使命を果たす、基本中の基本、第一歩目だ。
もちろん時間帯やセットプレーの練習などによっては非公開練習もある。 きっとyoutuber那須大亮のような感じでビジターでも練習参加できるのだろう。 ただコロナ禍がなければであるが。



また〇〇県内の町クラブは、それぞれ特徴があって、ドリブルやフィジカルに優秀な指導者もいるという。
その指導者間の風通しのよさは、クラブ通しで合同練習をしたり、指導方法を切磋琢磨する事にて常にお互いが向上する共通の目的があるからである。
また、大事なことだがユースの指導者からそれまでの指導者へ、預かった選手のその後の報告は欠かすことはない。などなど良好な関係が続いているからこそ、これまでの軋轢が解消していくのである。



そもそも指導者はなにをもって成功か。
〇〇県では、質の高い選手を育成する事を目標とするべきで、目先の勝利ではなく、いずれ世界へ羽ばたく選手を育てよう。 共通の究極の目標である日本代表を多く育成しよう。
という共通のビジョンを持ってはじめて、ようやく成功が生まれる土壌がができるという事だ。


大分から世界へ: 大分トリニータ・ユースの挑戦
大分から世界へ: 大分トリニータ・ユースの挑戦
出版芸術社

セビージャ 清武選手 
カティオーラFC⇒大分ユース⇒大分トリニータ⇒



カマタマーレ讃岐がまだJFLだったときのロータリークラブ主催の北野監督のご講演を聴きに行った。北野監督はJクラブはここまでやるといろいろな指導方法も公開していた。
また北野監督は、香川県に戻ってきてから、まだだれも指導方法を聞きに来ないとぼやいていたのが特に印象に残った。
また、屋島付近の大学サッカー選手は、かつて北野監督に指導されたこともあると聞いた。指導が細かくめっちゃ怖かったと語っていたもの印象的な事柄だった。


九州リーグ、熊本県や大分県では練習見学がどの指導者にもオープンであっただろうから、積極的に新しい練習方法などを学ぶ指導者が多かったが、香川県はまだまだ閉鎖的な風潮があって、それぞれ独自のやりかたで万年変わらない指導していてきた面もあるのだろう、


だから香川県の成績も上がらないのだと理解した。


北野監督は、積極的に多くの指導者を訪ねていき、日々技術を吸収するプロ中のプロ監督だ。北野監督にもどんどん聞きにきて良いと言っていたのも今でも強く印象に残っている。




北野監督以外にも、香川県には、U15で群を抜いて良い成績を収めている、FCディアモ、FCコーマラント、FCリフォルマには、良い指導者が確実にいる。
しかしカマタマーレU18にも指導者が引き継いでいる(いた)。




まず間違ってもらってはならないのだが、育成型クラブを目指すとは、ユース出身の選手がトップチームで主力として活躍できるようになってから言えるのである。
またレンタル選手の育成型移籍の受け入れもやや育成型クラブと言える。


Jリーグ100年構想の中で、地域に根差したスポーツクラブと地域活動が使命となっている。
まず先に実施するべきことは、地域のサッカー指導者の関係性や、サッカークラブ間の関係性を大切にして、それからサッカーを通して、地域のすそ野を広げていって、最終的には、おらが町のおらが地区の近所の子供からJリーガーが出た。日本代表が出た。では地区あげて、町あげて全員応援に行かねば。となるシナリオが、100年構想の目指すところのホームタウン活動のゴールだ。


ホームタウン活動と言うならば、キッズクラスでさぬぴーを派遣することも良いけれども、U18であれば、指導者間の活動、高松商業、大手前高松、香川西、尽誠、東高松高校などと、U15であれば、町クラブとの合同練習などもホームタウン活動の重要な活動ではないでしょうか。


サポーターの数が増えない理由のひとつに、まず始めにサッカー関係者の観客が増えない(協会からのノルマボランティアはある)ところにも起因していると思う。


Jの練習を一般のサポータに非公開にするのはコロナで仕方なところもある。
ただ指導者や子供たちについては、積極的に見せてあげるべきJクラブの大切な役割なのだ。
試合に勝つ負ける以上に、若い選手への指導育成・指導者間の交流は止めてはいけないJクラブの最重要事項でしょ。


カマタマーレ讃岐ユース出身選手も、プレミア昇格プレーオフまで驚くべき急成長を遂げたどり着いた。 これからもどんどんと実力を上げて欲しい。 


期待は指導者の手腕とミライある選手にかかっている。
いずれトップチーム三豊市財田の練習場が、日本代表監督やリバプールからエージェントが視察に来るような、ユースの練習にはJ1クラブのスカウトが来るようになって欲しいと思う。




世界へ羽ばたくといくら言ってもいいけど、まずは他地域でできていることを積極的に学ぶ姿勢こそ大切ではないだろうか。
サッカーは常に進化するし、育成に時間はかかるのも事実だが。
Jリーガーが多く生まれるところには、サッカー文化が育ち、そのノウハウがたくさんあるものだ。




〇〇から世界へ と県外出身選手のポスターを見かけるたびにいつも思う。