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サッカー戦術について整理します

上野山監督兼GMの辞任について②

〇上野山監督兼GMの辞任について①のつづきです。



〇2004年~2006年 企業スポーツの頭打ちと地域プロスポーツへとバトンタッチ
 2004年、2005年、2006年は、Jリーグだけでなく、日本国内のプロスポーツ界において、大きな改革が進められた時期である。
 バブル崩壊、金融危機、ITバブル崩壊と、度重なる不景気が重なり、企業スポーツをはじめ、TV視聴率がかつてほど稼げなくなってきた日本プロ野球(JPB)においても、親企業の交代や、主要スポンサーの交代と、大きく改革が進められた。
 2004年には、近鉄とオリックスが合併し、楽天が新規に誕生した。2005年には、社会人リーグ欽ちゃん球団が誕生し、まただれが主導したのか、なぜか四国に、プロにもアマチュアにも属さない、独立リーグ四国アイランドリーグが誕生した。


 この一連の地域スポーツ振興の流れは、ひとつの企業におんぶに抱っこされたスポーツ競技が、企業にとって重く負担になっていた状況を、リセットするためであった。地域スポーツのプロ化と言う名目の改革によって、鳴かず飛ばずの地域の特定されたひとつの企業に100%負担をかけるだけ、なにをするにも限界が低く価値も低いままの状況を、大シャッフルするべく改革のメスを入れたのだった。 そして、より多くの企業に薄く広く支えてもらい、より高い価値を生むようにしていこうという日本全国に投げかけられた、「プロ化=スポーツビジネス化」と言われている、一大ムーブメントであった。



〇香川県内に5団体誕生
 さて、全国の1%規模の経済規模しかない、香川県においても、ある日突然、いったい誰が起案したのか、プロスポーツによる地域活性化が、静かにこっそり舞い降りてきた。
・2005年 香川オリーブガイナーズ
・2005年 四国Eighty 8 Queen
・2006年 香川ファイブアローズ
・2006年 香川アイスフェローズ
2006年 カマタマーレ讃岐
と短期の間に、香川県内に地域プロスポーツが立て続けに爆誕した。
香川県内に5団体も、誰が主体として担がれ、誰が実行に移して設立に至ったか、当時を振り返ればよくわかる。
 誰が仕掛け起案したかは、別の機会に後で書きたい。





〇香川県内での広告宣伝費
 設立は、参入基準さえクリアできれば認可される。しかし、問題は参入後である。これだけの団体全部、どれもこれも維持運営がどれだけ大変な道を歩むことになるか、起案者と当時の担がれた方々は、設立当時に想像していただろうか。
 まず、大前提としてプロスポーツであるため、選手の給与だけでなく、活動資金を得るため、広告収入を得なければならない。


 ところが、香川県内には、地元に、企業の社員選手(卓球選手や駅伝選手)が数人存在していた程度であった。母体となるべき企業スポーツクラブを維持していた企業がまったくなかった状態からスタートしている。
 さらに決定的に悪い状況として、香川県の日頃日常の風景の中、香川県内の広告宣伝に費やしている費用をいったいどれだけ目にしたことがあるだろうか? 最近香川県内で頑張っている広告と言えば、コトデン電車とコトデンバスのラッピング宣伝が、群を抜いて目立ち斬新で宣伝効果も高く、関係者は頑張っていると感じる。しかし、アナログ放送が終了し地上デジタル放送に完全に移行する2011年まで、香川県内の地元企業は、静止画のTVCMを流していた。宣伝費の制作費用にお金かけない代わりに、かえって余計に目立つTVCMを放映していた県が、なにをかくそう香川県なのである。あとは、地元紙のチラシ広告と地元ラジオの宣伝ぐらいだろうか。コトデンやJR四国のつり革広告やポスター広告も、ほとんど空スペースのまま埋まる気配が一度もない。電柱広告もかまどさんとレクザムさんしか見かけたことがない。セスナ機による仏壇の空中宣伝もここ数年見かけなくなった。あとは全国向けのCMが香川県に配信されてくるだけ。 2006年から2021年、いま現在まで続いているとても残念な香川県の現状である。





〇香川県でのスポンサーは?
 さて、香川県地元の中心として、またスポンサーの中心として白羽の矢が立ち、率先して助け船となった企業さんと言えば、マンション販売全国1位となっていた穴吹工務店さん。香川ファイブアロー、カマタマーレ讃岐、オリックスの2軍と次々と広告スポンサーになっていたものの、度重なる不景気とリーマンショックに耐え切れず、2009年には会社更生法の適用を受けるに至った。(現在はオリックスグループの完全孫会社)。香川県の大手企業の一般市民によく知られている順番で行くと、冷凍食品の加ト吉(JTの完全子会社)、通信販売のセシール(ライブドアからフジ産経グループ)、スーパーのマルナカ(イオングループの持ち株会社)、十分なスポンサーとして団体を支える余力どころか、それぞれの企業の存続がガチに危うくなっていった。


 他にも香川県には大手企業、四国電力グループ(四電工、四電エンジニアリング、四電ビジネス、STNet、四電ビジネス、四国計測工業、四変テック、四電エナジーサービス)、穴吹工務店、穴吹興産、穴吹建設、クリエアナブキ、タダノ、合田工務店、大倉工業、百十四銀行、トモニホールディングス、四国化成工業、アオイ電子、マルヨシセンター、南海プライウッド、日本興業、セーラー広告、富士鋼材、アムロン、日本興業、泉鋼業、高橋石油、四国機器、ミサワホーム四国、富士通四国インフォテック、高松帝酸など有数の大企業があるものの、積極的な支援を担うだけの余裕があり、広く一般向けに宣伝効果を狙った積極的な広告を打つ選択ができる企業は限られている。


 当然ながら、大手を除いた、準大手企業に地域スポーツを支えてもらうしかない。よって、カマタマーレと4団体は、広告宣伝費収入・計画なしの運営を担うことになる。





しばらく上野山監督が登場する気配すらないけど、次は、カマタマーレ讃岐にフォーカスし、2006年当時を振り返ってみようと思う。