あなたのハートにゲーゲンプレス

サッカー戦術について整理します

「戦術の教科書」(2017)カウンターサッカー③

「戦術の教科書」(2017)ジョナサン・ウイルソン


カウンターサッカー
ペップ・グアルディオラ バルセロナ の 究極のポゼッションサッカーが、最強となったため、各チームは、対抗策を練った。
そのひとつの解が、カウンターサッカーであった。


カウンターサッカーの名手は、レアルマドリッドのモウリーニョ監督であった。





特徴
・カウンター ボール支配率 30% 相手にボールを持たせ、奪ったら即FWへボールを供給する。
・ブロック ゴール前の深い位置にブロックを敷く。
・プレス フィジカル重視でボールを奪う。





ひとつずつ整理していくと、



カウンターとは、
ボール支配率高いポゼッションサッカーに対抗できうるカウンターサッカーが生まれた。
ポゼッションサッカーは全員攻撃と言われるぐらい攻撃に人数がかけられている。一番低い位置でボールを奪うと、数的有利になっている最前線へ中盤を飛ばしてボールをフィードすると、得点しやすくなるというポゼッションサッカーの弱点を突く戦術である。
守備から攻撃への切り替えのスピードが問われてくる。


いわゆる弱者のサッカーと言われ、サッカーでジャイアントキリングが起きるのはこの戦術がほとんどを占めいていると言われている。


大分トリニータが2008年のナビスコカップで優勝した際、マジックを使うシャムスカ監督の戦術も、カウンターであった。FWに抜群の決定力ウイズレイ、突破力の金崎夢生がいて、4バックにプラスして、ボランチにボール奪取に強い2枚のホベルトにエジミウソンと、実質6バックでボールを刈り取り、カウンターでトドメを刺す。堅守カメナチオと呼ばれていた。そのシーズンは失点24とJリーグ最小記録を更新しており、その記録は今後破られることはない見事な堅守だった。ジャイアントキリングはまさに大分トリニータにこそふさわしいと今でも思っている。


その後、2010年南アフリカW杯では、最後の最後の本戦が始まってから岡田監督は、カウンターサッカーに急遽切り替え大成功。ベスト8まであとわずか手が届かなかった。カウンターサッカーを本大会まで封印した最大の理由は、名手岡田監督のプランB策だったと思っている。



その後、ゲーゲンプレスが流行り始め、カウンターでの得点が減少することとなる。


プレミアリーグで、2010年40%もの猛威を振るったカウンター得点率が2015年時点でのカウンターでの得点率は20%と、激減しており、カウンターからの得点がとても難しくなってきている。




次はカウンター対策についてまとめる


戦術の教科書 サッカーの進化を読み解く思想史
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